2021年07月17日 書籍「朝倉山椒とその風土」のご案内

より朝倉山椒を理解するのに参考になる書籍です。
ご興味ある方は下記、文中のお問合せ先へご連絡をお願い致します。


『朝倉山椒とその風土』を発刊しました
耕作放棄地の解消を推進する八鹿町大森区の有志グループ・「やろう会」(中島 博代表)では、活動展開の手段として朝倉山椒を生産してきましたが、養父市内で朝倉山椒を生産・加工販売する団体を取材するとともに、その歴史と研究をまとめました(発行者:中島 博 編集:西村禮治 茨木信雄)

海外で評価高まる朝倉山椒
平成27年、イタリア・ミラノで開かれた国際博覧会に出品した朝倉山椒(実山椒)は、会場に集まった三ツ星レストランのシェフたちから絶賛され、海外への販路が開かれました。
現在ではヨーロッパから東南アジア、中近東へも輸出されています。朝倉山椒という名称は約千年前の文献に残されており、原産地とされる八鹿町今瀧寺から同町朝倉集落の人たちが苗木を譲り受け、大事に育ててきました。一時枯渇していた朝倉山椒でしたが、1977年(昭和52)年から朝倉地区の人達が復活に取り組み、20年かけて再生し、但馬の朝倉山椒生産者に届けています。

市内生産団体それぞれの取組みを取材
やろう会(八鹿町大森区在住者の有志と区外の方を含め15人)は、耕作放棄地の解消と再生を図ることを目的に生まれたグループで、6㌶の土地を借り朝倉山椒などを育ててきました。その収益で養父市内の耕作放棄地解消とともに、広く交流を図ろうとしています。

朝倉山椒 ブランド化への期待
同会メンバーの茨木信雄さんは自らも朝倉山椒を育てるとともに、古い文献などもひも解いて朝倉山椒を研究してきました。ことし3月19日、佐賀大学をはじめとする全国の研究者や大学教授と一緒に、国内の山椒についての研究発表し、朝倉山椒の執筆を担当しました。全国各地で育つ山椒のブランド化が進むことが期待されています。同日、ロンドンでも英国の科学雑誌「Scientific-Reports」誌(ネイチャー・リサーチ社)にも掲載されました。

 『朝倉山椒とその風土』をお読みいただける方は、
朝倉山椒ファンクラブ事務局(阿部雅明 携帯電話 080-2444-1048)または wacas21@nike.eonet.ne.jpへ。
1冊1,000円(送料込み)です。

朝倉山椒とその風土~もくじ 

序章  朝倉山椒海外へ                                                     
 1 朝倉山椒シロップ 国際線ファーストクラス機内食に  
 2 ヨーロッパへの輸出  3 いざ商談会へ  4 いきなりの手ごたえ  
 5 〝全部納品して…〟生産者に朗報  6 加工品製造にも拍車
第一章  国内の販路拡大へ                          
 1 関東の販売拠点  2 出品した二商品直接取引始まる  
 3 コンサルへの無知中山間ほど根強い  4 関西にも販売・PR拠点 
 5 阪急沿線住民からのメッセージ
TОPIX 佐賀大学の研究発表                                              
           各地の山椒は特色がある世界初、山椒をゲノムで分類
第ニ章  山椒よもやまばなし                                     
 1 「山椒は小粒でピリリと辛い」 
 2 山椒の実は邪気を祓い、子孫繁栄の縁起物             
第三章  暮らしの中の山椒                                                   
 1 暮らしの中にある朝倉山椒  2 うら盆の仏壇飾りに山椒               
 3  忘れつつある食文化 4 中島光枝さんの『仲間に伝えたい里の味』から              
   5 身土不二を実践してきた生涯  6  水で証明した身土不二 したたかだった八鹿町企画課(当時) 
第四章  朝倉山椒の原産地                         
 1 原産地は朝倉? 今瀧寺?  2 今瀧寺原産地説                                                   
 3 今瀧寺村のその後と大字八木
第五章  朝倉山椒危機の時代                          
 1 朝倉山椒危機からの脱出  2 山椒は農業の傍流  3 枯渇の背景
第六章  朝倉山椒再生へ                                                    
 1 山椒はおばあちゃんの仕事
 2 JAたじま山椒部会設立 但馬全域へ奨励
 3  昔からあった山椒とのかかわり    4 原産地に敬意
 5 復活へ 一気呵成にスタート  6 朝倉地区の取組み
 7 自生する山椒からスタート やさしさあふれる鵜縄の取組み
 8 地域力の再発掘と発揮畑特産物生産出荷組合          
 9 耕作放棄地を活かす取組み                   
第七章  やろう会の歩み                          
 1 シカの被害で耕作放棄地は拡大    2 耕作放棄地の解消へスタート
 3 山椒苗木の定植に向けて         4 定植開始                             
 5 家族も巻き込んでミカンも定植    6 収穫作業に区外参加者 
 9 交流拠点施設を活用した活動アピールへの夢 

朝倉山椒ファンクラブとは
令和元年4月、朝倉山椒組合、やろう会、やぶパートナーズ株式会社(朝倉山椒の海外輸出と 山椒加工品を東京はじめ国内に販路を開拓している、養父市が100%出資した地域公共会社)が、朝倉山椒のPRと情報交換を目的に設立した「やぶ朝倉山椒研究会」の一部門で現在の会員は64人。そのうち18人が朝倉山椒組合とやろう会の朝倉山椒圃場に自分の木を植えており、来年以後いっしょに山椒ぼりと収穫祭を行って山椒交流を行う予定(令和2年はコロナ禍のため中止)。