2022年12月28日 国指定文化財名草神社の修理完成記念式が開催 

広報やぶ11月号より引用させていただきました。


 10月23日、国指定文化財名草神社の修理完成記念式を開催しました。 
 平成22年に国の重要文化財に指定された名草神社は、平成24年3月、屋根の劣化と雪の重みにより本殿と拝殿が破損。宗教法人名草神社が主体となり、文化庁、県、市の指導や支援を受けたほか、小佐地区の住民などが名草神社災害復旧工事奉賛会を組織し、地元負担金を拠出。建立以来初めての大規模な修繕工事が平成27年に始まりました。
 工事では、平成28年に発生した熊本地震で熊本城が大きく破損したことを受け、基礎や柱に耐震補強が施されたほか、屋根に補強材を入れ積雪対策を強化。また、調査によって判明した建設当初の彩色を復元したことで、美しく彩られた江戸時代の姿を取り戻しました。
 令和2年に拝殿の修理が、令和3年には、本殿の修理が完成。消防設備などの全体の工事が令和4年10月に完成し、建造物の破損から11年、工事開始から8年を経て、全ての工事が完成しました。
 完成式では、復旧工事に尽力した団体に感謝状が贈られたほか、九鹿ざんざか踊り保存会が記念奉納を行いました。
 また、三重塔前には、特設のステージが設けられ、芸術文化観光専門職大学の学生による名草神社をテーマにしたオリジナルの演劇「わすれなぐさ」が上演されました。
 名草神社の修理工事は、建築、屋根、彫刻など江戸時代の技術や工法で行われました。その一方で、基礎工事などの耐震補強には、鉄骨などの現代工法が採用されました。    
 先人の伝統技術、知恵、さらには文化や景観を未来へつないでいきます。